何もしなければ派遣社員から正社員にはなれない：現役転職アドバイザーからのアドバイス

派遣社員という待遇を希望して派遣社員として働いている人も多いですが、正社員になれないために派遣社員を選択している人も大勢います。

我が社にも優秀な派遣社員がたくさんいます。正社員よりも優秀な派遣社員も珍しくありませんが、派遣社員が際立って優秀というよりも、正社員の方が優秀でないために相対的に派遣社員が優秀という評価を受けていることが多いと感じています。

優秀な派遣社員と優秀でない正社員のどちらを取ると言われれば優秀な派遣社員をとなりますが、正社員にまでする必要があるかと言われれば、そこまででもないという派遣社員が大半というのが正直なところです。

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正社員にしてでも囲っておきたい派遣社員がどれだけいるかと言えば、そうは多くないと思います。

派遣社員を正社員化する仕組みがある会社でも、優秀な派遣社員レベルの評価ではなかなか正社員になることはできません。正社員になりたければ、単に派遣社員として務めるのではなく、正社員になるために働く派遣社員である必要があります。正社員になるための戦略が必要です。

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ある会社で派遣社員として働き、その後その会社に正社員として採用された女性は以下の戦略をとっていたそうです。

仕事は当然責任を持ち、一定のレベルでこなすことが前提ですが、時折、本来は定時までに終わらせるべき仕事を、敢えて少しだけ終わらせずに残しておいて、「後少しで完了するので、少しだけ定時後も仕事をさせてください（残業代はいらないという雰囲気を醸し出しつつ）」と指揮命令者に相談するそうです。

そうやって、定時までに仕事を終えるように頑張っている姿勢と予定時刻までに終わらなかった仕事は残業となってもしっかりと終えようとする責任感を持っている社員というイメージを植え付け続けたそうです。

そんな作戦にまんまと引っかかり（という表現は適切ではないかもしれませんが）、彼女は正社員の座を獲得したとのことです。

派遣社員として働く人の大半は、自分は派遣社員なので派遣先の会社や業務がどうなろうが関係ない、自分は言われたことをやるだけという感覚の人たちです。そのような中で、正社員に近い感覚で会社や組織のことを考えて仕事をしてくれる派遣社員がいれば、派遣先企業の人の

40代、50代でも派遣社員から正社員になれるのか？

会社によって状況は異なりますが、紹介予定派遣を除いて、ほとんどの企業は年齢にかかわらず、派遣社員を正社員に採用することはめったにありません。要するに、派遣から正社員に転職する確率は低いということです。

逆に、一部の企業は正社員への転職機会があるかもしれませんが、これらの企業では通常、正社員になった場合に待遇が悪化する可能性が高いです。たとえば、サービス残業、長時間勤務、多くの責任を負うことがあるかもしれません。そのため、派遣社員のままでいる方が得策かもしれません。

待遇のいい企業で派遣から正社員になるためには、他の正社員とは異なる優れたスキルが必要です。また、通常の正社員よりも優れた業績を上げる必要があります。普通の業務をこなすだけでは、正社員になるのは難しいでしょう。スキルに優れた人は、年齢に関係なく正社員になるオファーを受けることがあります。

企業が派遣社員を雇う理由は、需要が高まる繁忙期など、急に人手が必要になったときに迅速に人材を確保できるからです。派遣社員は、簡単な仕事や雑用を担当することが一般的です。一方で、企業の中核業務や重要な部分は通常、正社員が担当します。

そのため、派遣社員の選考においては、フレッシュさ、エネルギー、コミュニケーション力などが重要な要素とされます。一般的に、若い人々がこれらの要素を持っていると考えられ、したがって若い人が派遣社員として選ばれやすいと思われがちです。ただし、実際には、内向的な若者でも雇用される可能性があり、逆に、40代や50代の派遣社員でもエネルギッシュであれば雇用されやすいです。つまり、年齢はあまり関係ありません。

派遣社員から正社員への転職は確かに難しい道のりです。しかし、その難しさは理解しておくべきです。私はかつて派遣会社で営業担当をしていました。派遣社員から派遣先の正社員になることは、非常にまれなケースです。なりたての正社員でも、契約社員やパートタイムの立場が多いのが現実です。年齢が上がるにつれて、この転職の難しさは一段と増します。

私のアドバイスとして、早いうちに正社員の仕事に転職することを検討すべきだと考えています。40代であっても、どんな職種であれ正社員の方が派遣社員よりも遥かに魅力的です。派遣社員は、アルバイトよりも将来性に乏しい、一時的な雇用形態です。そのまま派遣社員としての仕事にとどまり続けることは避けた方が良いでしょう。ずるずると派遣社員のポジションに留まり、50代になるとさらに正社員に転職するのが難しくなり、取り返しのつかない状況に陥る可能性が高まります。

派遣社員から正社員になる難しさ

派遣社員から正社員への転職が難しい理由はいくつかあります。以下に、その主な要因と実例を交えて詳しく説明します。

競争が激しい：派遣社員から正社員に転職するためには、通常、多くの応募者と競争しなければなりません。企業は経験豊富な人材を求めており、派遣社員としての経験だけでは不十分です。実際の業務経験やスキルがなければ、採用されることは難しいでしょう。例：派遣社員として数年間働いた後、正社員の職に応募したAさん。しかし、他の候補者たちも同様に経験を持っており、Aさんは採用されなかった。
紹介予定派遣の例外：一部の企業は紹介予定派遣という制度を利用し、一定期間の派遣後に正社員として採用することがあります。しかし、これも競争が激しく、派遣社員としての実績や評価が求められます。例：Bさんは紹介予定派遣のシステムを利用して、派遣社員から正社員になりました。しかし、その間も彼は高いパフォーマンスを維持し、正社員としてのポジションを確保するのは容易ではありませんでした。
年齢による差別：年齢が上がると、正社員への転職が難しくなることがあります。企業はしばしば若い人材を優先し、経験が豊富な中高年の派遣社員には採用の機会を提供しづらいことがあります。例：Cさんは50代になり、派遣社員から正社員に転職を試みましたが、若い競争相手に押されて採用されなかった。
スキルの不足：派遣社員から正社員への転職には、特別なスキルや資格が求められることがあります。正社員としての業務に必要なスキルを磨くことができなければ、転職が難しいでしょう。例：Dさんは派遣社員として働いていたが、正社員の職に応募するには必要なスキルや資格が不足しており、転職は難しかった。

派遣社員から正社員に転職するためには、競争を勝ち抜くための準備が不可欠です。具体的な行動としては、以下のようなステップが考えられます。

スキルの向上：自身のスキルや資格を向上させ、正社員としての職務に必要な能力を磨くことが重要です。継続的な学習やトレーニングを積極的に行いましょう。
ネットワーキング：業界内でのコネクションを築き、情報を収集しましょう。関係者との良好な関係は、転職のチャンスを増やす要因となります。
キャリアカウンセリング：キャリアカウンセラーに相談し、転職計画を立てるのも一つの方法です。専門家のアドバイスを受けることで、最適な戦略を見つける手助けになります。
求人情報の監視：常に求人情報をチェックし、正社員の職が募集されている場合には積極的に応募しましょう。派遣社員としての経験を積みつつ、チャンスを待つ姿勢が大切です。
自己マーケティング：自身の強みや経験をアピールする方法を磨きましょう。履歴書や面接で、自己PRが効果的に伝わるように工夫することが必要です。

最後に、派遣社員から正社員への転職は難しいかもしれませんが、諦めずに取り組むことで実現可能です。自己啓発と積極的なアプローチを持ちながら、目標を達成するために努力しましょう。そして、成功事例もあることを忘れずに、自分の能力を信じ続けてください。

派遣社員から正社員になれる人の特徴

多くの派遣社員が正社員への転職を望みますが、成功するには特定の条件を満たす必要があります。以下の実例を通じて、派遣社員から正社員への転職成功の要因を明らかにしましょう。

1. 優れた勤怠管理能力を持つ人

成功事例の一つは、優れた勤怠管理能力を持つ人々です。彼らは遅刻や早退、欠勤が少なく、信頼性が高いため、正社員としてのポジションに選ばれました。例えば、Aさんは派遣社員としてのキャリアの中でほとんど欠勤や遅刻がなく、その姿勢が評価されて正社員に昇進しました。

2. 業務の適正と高い業務能力を持つ人

派遣社員から正社員に昇進した成功事例には、業務の適正と高い業務能力を持つ人々もいます。彼らは自分の役割に適しており、業務を高水準で遂行できる能力があるため、企業から評価されました。例えば、Bさんは派遣社員としての経験を活かし、高度な業務スキルを持っており、正社員に転職しました。

3. 良い人間性と協力的な姿勢を持つ人

正社員に転職成功した派遣社員には、良い人間性と協力的な姿勢を持つ人々も多くいます。彼らは業務指示を文句一つ言わずに実行し、同僚との協力関係を築くことができました。Cさんはその典型的な例で、彼は協力的な性格と高い人間関係の構築能力によって正社員になりました。

4. 年齢に関係なくチャンスを掴む人

年齢に関しては、成功事例には幅広い年齢層の人々が含まれています。派遣社員から正社員に転職できる最高年齢に制限はなく、実際に40代後半の人々も成功を収めました。ただし、派遣社員からの転職の機会は、一般的には30代前半の人が最も多いです。

5. 社風に合い、上司や同僚からの評価が高い人

派遣社員から正社員に転職するには、企業の社風に合致し、上司や同僚からの評価が高いことが重要です。正社員の候補者として推薦される際に、派遣社員の詳細情報が求められることがあります。そのため、人間的な性格や協調性が評価され、業務に対する熱心な取り組みも求められます。例えば、Dさんは仕事ができるだけでなく、性格的にも人間的にも優れ、調和性があり、業務に対する熱心な努力があり、そのために正社員に転職しました。

6. 入社試験に合格できる人

派遣社員から正社員への転職には、入社試験が必要な場合があります。学科試験や適性試験、面接などが含まれ、これらの試験に合格しなければなりません。正社員の職に就くためには、これらの試験に対する準備が欠かせません。

成功事例から明らかになるように、派遣社員から正社員への転職は可能ですが、要求される条件や準備があります。派遣社員としての経験を積みながら、自身のスキルを向上させ、協力的な姿勢を持ち、社風に合う努力をすることで、正社員への転職の可能性を高めることができるでしょう。

元衆議院議員の杉村太蔵氏も派遣社員（アルバイトという説も）として清掃の仕事をしていたそうですが、真面目に一生懸命掃除をする姿勢を貫いたところ、派遣会社の仲間からも慕われ、やがては派遣先のドイツ証券で掃除をしていたところ、ドイツ証券の社員から話しかけられて交流を続ける内に、杉村氏の能力や人柄を評価したその社員がドイツ証券に入社するお膳立てをしてくれたとか。

会社の制度や方針があり、どんなに優秀な派遣社員であっても正社員になれない会社もありますが、仕事っぷりと人柄が気に入られることが正社員化に当たり絶対必要なことだと思われます。